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◼️保管方法・飲みごろ・熟成
【保管】
保管温度:常温(冷やして飲んだほうが美味しいです)
保管場所:クローゼット・ワインセラー
抜栓状態:抜栓後は冷蔵庫で保管をお願いします。抜栓後も風味がすぐに無くなるわけではありませんので、ご自身のペースでお飲みください。
【飲みごろと熟成】
いつでもお飲みいただけます!初めての試みとなるお酒なので、今後どのような熟成に向かうのかわかりません。ただ、お酒自体が非常にしっかりしているので、急いで飲まなくてもまったく問題ありません。
◼️大和川酒造店のこと(酒と米)
大和川酒造店は、寛政2年(1790年)創業の福島県喜多方市にある酒造です。20年ほど前から自社でのお米の栽培を始めたそうで、ほぼ自社米のみでおよそ1500石のお酒を造っています。現在は田んぼにすると65町歩もの面積でお米を育てています。なんと、1500石醸造するための原料に対しおよそ3倍の量の収穫があるんだとか。杜氏の佐藤哲野さん自らもお米を育て、収穫して、精米して、醸造しているんです。そのため酒造りが春頃に終わるとすぐに田んぼ仕事に入るという超ハードワーク。愛情をもってお米を育てたぶんだけ、そのお米を大切に扱った丁寧で誠実な酒造りになるそうです。現在は収穫したお米をより高度に管理できるライスセンターも建設し、栽培→脱穀→乾燥→精米→醸造まですべて自社でこだわれるようになっています。
◼️大和川酒造店のこと(エネルギー)
また、大和川酒造店は「四方四里(しほうしり)」という考えに基づき、酒蔵から東西南北4里(約16km)の中でお酒を造ることを目指していて、水・米だけでなく、自然エネルギーの会社も設立して、再生可能エネルギーで自社の電力を100%まかなっています。さらに、昨年の2024年にはバイオマスボイラーも導入し、重油の使用量を80%削減することに成功しました。
▼バイオマスボイラーとは?
木材、農業残渣、食品廃棄物などのバイオマス材料を燃焼させて熱エネルギーを生成する設備です。再生可能エネルギー源として環境への負荷が比較的少なく、温水や蒸気を供給して発電や産業用の熱利用に使用されます。大和川酒造店では、喜多方市内で間伐などにより得られた木材のチップを使用しています。
主な特徴:
持続可能なエネルギー源である
二酸化炭素の排出量が少ない
廃棄物を有効活用できる
用途例:
発電所
工場の熱供給
地域暖房システム
メリットとデメリット:
メリット:環境負荷の低減、廃棄物利用
デメリット:燃料の配置や保管に工夫が必要、燃焼効率の管理が重要
カーボンニュートラルに向けて、酒蔵としてできることを着実に実践中。ほんとにすごすぎる。
◼️Sun -さん- について
Sun -さん- は大和川酒造店が2020年にリリースした新商品です。
ネーミングは太陽を表わす“Sun”と“酸”をかけたもの。陽光を浴びた果物を連想させる味わいから名付けられたそうです。
簡単にこのお酒を説明すると、甘さ控えめの大人のカルピスのような乳酸菌由来の甘酸っぱいお酒です。いや、、、誤解を恐れず言えば、ナチュール系の白ワインのような味わいです。日本酒をワインに例えるのはナンセンスだと思っていて、出来る限りこの表現は避けたかったのですが、どうしても今回はそう例えたい衝動を抑えきれませんでした。
米の日本酒と、葡萄のワイン、全く違うはずなのになぜかワインのような味わいなんです…!
杜氏の佐藤哲野さんが、近年取り組んできた生酛(きもと)造りの製法を応用して醸造し、仕込みの過程で発生する天然乳酸菌由来の酸味を際立たせ、甘酸っぱくみずみずしい味わいに仕上げています。
「一般的な日本酒の造りではできるだけ酸味を抑える手法が取られます。そんなネガティブに捉えられがちな酸味を、日本酒の新しい魅力として発信できたら。日本酒は米と水と菌の力が織りなす飲み物。自然の力を感じてください」
そんな佐藤杜氏の想いが込められているお酒です。デリケートな酒質のため、温度管理などに通常の2倍以上の手間がかかっているそう…!
(以下、読み飛ばしてかまわないマニアックなお話)
先ほど「生酛造りの製法を応用して醸造し、仕込みの過程で発生する天然乳酸菌由来の酸味を際立たせ」て造られていると説明しましたが、これ実はとんでもないことをやっているんです。
一言で表すなら「革命的手法」です。
何が革命的なのか? それは仕込みの過程で天然乳酸菌を添加しているからなんです。
酒造りにおいて、乳酸菌は最も重要な菌のひとつになります。アルコールを作り出す酵母菌が活躍できるように環境を整え、アルコール度数が高まると、乳酸菌は役目を終えて死滅していきます。
がしかし、この乳酸菌が時として“反旗を翻す”こともあります。アルコール発酵の途中で特殊な乳酸菌が入り込むと、発酵が進まず、アルコール度数が上がらないままお酒が酸っぱくなったり、白濁したり、異臭を放ったりしてしまうんですね。そうなると、そのお酒は飲めなくなります。(人体に害はないですが美味しくない)
なんなら、そのお酒を造っていたタンクの中のお酒すべてを廃棄しなければいけなくなります。最悪の場合、他のタンクにも汚染する可能性があり、酒蔵の大惨事にまで発展します。
そんなこともあって、通常の日本酒ではできるだけ酸味を抑える手法が取られているんですね。
では、このお酒で佐藤杜氏が行っている手法とは、どんなものなのでしょうか?
それはアルコール発酵が進んできた仕込みの途中で、天然乳酸菌を培養した生酛の酒母のような液体を途中で添加するというもの。いわば、“追い乳酸菌”です。
この大胆すぎる手法を聞いた土田酒造の星野杜氏は、「狂ってる…!」と賞賛していました。笑
◼️今回のお酒を造るに至った経緯
2024年に土田酒造からホップのにごり酒をリリースしました。いわゆるクラフトサケという日本酒業界の新しいジャンルのお酒です。
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(以下、読み飛ばしてかまわないマニアックなお話)
日本酒を造るには清酒醸造免許が必要で、新規の免許発行が行われていないため、日本酒業界は新たに新規参入することがほとんどできない業界なんです。それでも自分の日本酒を造りたいと願う若者たちから生まれたのがクラフトサケです。今、このクラフトサケが密かなムーブメントになりつつあります。
日本酒は米・米こうじ・水だけというシンプルな原料を、難易度の高い複雑な技術を用いることで、味わいに幅や奥行きが生まれます。
僕が日本酒にハマったのが、今から20年前。それから、日本酒はどんどん美味しくなっています。それと同時に「似たような日本酒」が増えてきているのも事実です。
醸造技術がオープンになり、設備や流通がどんどん進化する反面、当たり前なのですが「人気が出る美味しさ」も共有され、味わいが画一化しやすくなります。
そこで登場したのがクラフトサケです。
日本酒に副原料を加えることで、従来では表現しえなかった味わいが生まれるんです。
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日本酒の醸造過程で副原料を添加し、これまでにない味わいを生み出すのがクラフトサケです。しかし、この醸造方法は既存の酒蔵では造ることができません。醸造免許の区分によって「清酒」ではなく「その他の醸造酒」の免許が必要になります。
皮肉なことに、免許が日本酒業界の進化に大きな隔たりを生み出しはじめているんです。それであれば今度は日本酒の酒蔵でもクラフトサケのような新しい日本酒に挑戦してみたい!との思いから今回の特別酒の挑戦に至りました。
◼️特別酒「Sun Herbal Infusion」
今回のお酒は簡単にお伝えするとハーブを漬け込んだ日本酒です。免許の区分でいうと梅酒などと同じ「リキュール」免許になります。2024年4月に緑茶の茶葉を浸漬させた特別酒と同じ手法です。当時は日本酒とお茶の融合を目指してプロデュースしましたが、今回は日本酒とクラフトサケの融合を目指したお酒です。
具体的な製法としては、Sunにレモンバーベナとアルテミシア(コーラプランツ)というハーブを2週間浸漬させました。
佐藤杜氏と一緒にSunにハーブを1種類ずつ漬け込んで、まずは10種類を試作してみました。その時点で非常に美味しく未来のある味わいになっていました。しかし、Sunとの相性から合うもの、合わないものがありました。
さらにそれぞれをブレンドするとより多層的な香りが生まれ、奥行きのある味わいになりました。10種類からブレンドを試作を重ね、最終的に辿り着いたのが今回のSun Herbal Infusionです。
Sunの複雑な酸味と甘味に、ハーブの多層的な香りが加わり、ひとくち飲んだだけで思わず目を見開いてしまうような美味しさに仕上がりました。
チビチビ飲むだけでも満足してしまう、ものすごくリッチでエレガントな新しい日本酒が完成しました!!!
◼️オススメの飲み方
今回は、まずは常温で堪能してください。
冷酒(ワイングラス・お猪口)
常温(ぐいのみ)
熱燗(平盃)
冷酒から燗酒まで美味しくいただけますが、できれば冷酒でワイングラスがオススメです。